Vol.3 これからの、ウェブや制作会社との付き合い方【開催レポート】

キャッシュレス決済やWeb予約など、一般ユーザーにとっても「必要なもの」になったWEB。情報発信や業務の効率化などビジネスシーンでも効果的に活用したいものです。

豊中ビーキャン第3回の講師は、豊中市内でプログラミング教室を運営するシステムエンジニアの中池秀夫さん。

ホームページの役割や制作の費用感、制作会社の選び方など、知っておきたいWEBの基本とこれからの活用方法を、解説してくれました。

WEBサイトの成り立ち

日本では1985年にパソコン通信が流行。在庫管理など、情報のやり取りを目的に企業でも使われ始めるなど、実は40年ほど前からインターネットは活用されています。

インパクトがあったのは、1995年。

ウィンドウズ95の発売とともにデジタルカメラも普及。一般ユーザーがインターネットを意識する時代の到来です。

Yahoo!ジャパンや楽天が登場したり、2000年にかけて「2ちゃんねる」「i-mode」が普及。日本でもGoogleが使えるようになりました。

2008年に日本でiPhoneが発売されると、さらにインターネットを使う「個人」が増えました。

また、通信速度のアップも、インターネットが広がった背景の一つ。

「1988年には、アナログの電話回線に代わりISDN、さらにADSLが登場、2005年には光通信サービスもスタート。携帯電話も5Gによって、家庭の光通信と同様の速度でインターネットを使えます。動画が見やすくなりました」と中池さん。

スマホの普及で、Twitter、インスタグラム、LINEなどのSNSメディアも広がっています。

「WEBサイト」の側面では、2003年ごろから流行した「ブログ」が大きな転換点。

一般ユーザーも使うものへと発展していきました。

WEBサイトは必要?

Facebook、インスタグラム、YouTubeなど、さまざまなインターネットサービスがあり、活用する企業も多いようです。

それでも、WEBサイトは必要でしょうか?

「必要だと思います」と中池さん。

企業・店舗のWEBサイトは、看板や名刺と同じぐらいの役割を持っているからです。

「情報を知りたくて検索してもWEBサイトが出てこないのは『そこにない』のと同じ。例えば就活では、WEBサイトで会社を調べますよね。WEBサイトがあると安心で、なければ、競合他社と比較すらしてもらえない」

無料で使えるWEBサービスはある?

WEBサイトの制作が費用面で難しい場合は、無料のWEBサービスを活用すると良いようです。

店舗やオフィスがあれば「Googleマイビジネス」がおすすめ。

口コミの投稿を不安に思う人もいますが、悪い口コミへ返答できることがメリット。それがプラスの評価に繋がることもあります。

地域性の高い営業をする店舗では活用がすすんでいます。

またFacebookやLINEの活用で集客する店舗も多く、どちらもスマホで情報更新できることが、最大のメリット。

SNSは、会社の顔、雰囲気を伝える役割があり、公式WEBサイトとは異なる使い方で、ユーザーの囲い込みをする企業もあります。

ネットショップの無料サービスも

ネットショップも、無料で使えるサービスがあります。

BASEやストアズなどは、必要な項目を入力すれば完成で使いやすく、セキュリティ面からもおすすめです。

「物販」だけでなく、教室のレッスンなどの決済場所として活用している人もいます。

2020年度の豊中ビーキャンでは、蛍池の「みつか坊主」でオンライン担当をしている方に解説もしてもらっています。

そのときの動画も参考にしてみてくださいね。

https://tbcamp.com/archives/909

ホームページを無料で作るなら

WEBサイト制作も無料でできるものがあり「WIX」「JINDO」など、技術的な知識がなくても簡単に作ることが可能です。

時間は取られますが、もっとこうしたい、ということが明確になってから、制作会社へ依頼すると良さそうです。

「自分でやることで、知識が貯まるのが大きなメリット。制作会社へスムーズに自分の考えを伝えられるようになる」と中池さん。

この日の受講者からは「ペライチというサービスはどうですか?」との質問もありました。

「使いやすいと思います。検索エンジン(※SEOについて項目参照)には弱いのですが、広告を打ったときに見てもらうためのページ、というイメージ。まずは作ってみましょう」と答えてくれました。

ドメイン、メールアドレスは必要

自分で商売をしていくなら、ドメインとメールアドレスは自社のものを持つべき、と中池さん。

ドメインとはメールアドレスの「@」の後ろにつくもの。

メールアドレスのドメインは独自のものにするほうが、ビジネスでは信用度が高いからです。

スタッフが増えれば「@」の前部分を各スタッフ名にして、メールアドレスも増やせます。 名刺に、独自ドメインのメールアドレスがあるだけでも、信用度はあがります。

WEBサイトで大切なこと

WEBサイトを作ることは、インターネットの空間に自分の会社・店舗を置くこと。

「アクセス情報や営業時間など手書きでOK。自分で用意しましょう。『かっこいいWEBサイトを』と伝えてできるものではありません」

WEBサイトに盛り込みたい要素は自分で書き出すのが重要なのだそう。

中池さんの場合は、WEBサイトが必要な理由やどう使うのかも、ヒアリングしていくそう。

「こんなホームページが好き、とイメージを伝えるのもいい。そこから、WEBサイトの構成を考え、デザイナーにデザインを依頼していきます」

すべて完了するまでには多くの工程があり、日数もかかります。

「考えやイメージを伝える最初のところと、写真や文章を入れる最後のところが、ご自身に関わる部分。自分が手を動かした経験があとできっと役に立ちます」

制作依頼で確認したいこと

WEB制作会社へ依頼をするときのポイントとして中池さんが挙げたのは、次の2つです。

・情報の書き換えを自社でできるかどうか。

・スマホで見やすくなっているかどうか。

「情報の書き換え」とは、店舗や会社でサービスや商品内容・基本情報の更新が自社でできるかどうかです。

修正のたびに制作会社へ依頼をするのは、面倒なもの。更新しやすいWEBサイトを用意してもらいましょう。

「WordPress」というシステムは、ブログのように情報更新がしやすく多くの会社・店舗が使っているので、確認してみると良さそうです。

二つ目は、とても重要。

今はスマホでインターネットを見る人が増えています。縦に流れる動きに即したWEBサイトを用意してもらいましょう。

WEBサイト制作にかかる費用

WEBサイトは、ドメインとサーバーがあれば作れます。

サーバーとは、インターネットなどのネットワークを通じてユーザへサービスを提供するコンピューターのこと。

レンタルサーバー会社と契約するだけで、安いプランなら月500円ぐらいからあります。

ドメインも、年間で2,000円~3,000円ほど。

WEBサイトの制作費用について中池さんは

「値段で見て判断するのは難しい。制作会社の実績をチェックするといいかも。どんなWEBサイトを得意とするかが、わかります」といいます。

高いデザイン性を求めればデザイン費が別途かかりますし、写真や文章にこだわるならカメラマンやライターの手配も必要で、費用が上乗せされます。

「譲れないポイント、費用を抑えられるところはどこか、任せっぱなしでなく自分の考えを伝える準備をしましょう」

制作会社の選び方・付き合い方

先にも言いましたが、できるだけ会社・店舗の人が直接更新できる仕組みで作ってくれるように依頼するのがおすすめ。月額契約よりも最初に払う契約にして、本当に必要なときに依頼できる関係を築いていきましょう。

WEB制作では「もっとこうして」と注文を付けたくなることもありますが、その場合は「今、こうしているのは、なぜですか」と聞いてみることがいいのだとか。納得できる内容が返ってきたら、あとはお任せするのがいいそうです。

「WEB制作では、おもてには見えない部分で考えこまれているものが、たくさんある。仕様もどんどん変化していき、知識がないとわからない部分なので、プロに任せるべき」だそうですよ!

WEBサイトが完成してからは

WEBサイトは作って終わりではありません。問い合わせが入り仕事に繋がることが重要です。

やりたいこと、売りたいサービスを確立させたうえで、WEBサイトを作り、完成後は人の目に触れるようにしていきます。

SEO対策について

WEBサイトは、ユーザーが検索窓に入力した検索ワード(言葉)に対して表示されます。

豊中蛍池で「ラーメン」と検索窓に入れると、近所のラーメン屋さんが表示されるのは、位置情報と内容を合わせた検索結果が表示されているからです。

「Googleでは、ユーザーが入れた検索ワードに対して『優しいページ(わかりやすいページ)』が上位に表示されます。求めている人に対してわかりやすい情報を更新していきましょう」

限られた商圏でしっかり情報発信するWEBサイトは、上位に表示されていきます。

PRについて

WEBサイトをユーザーに見てもらうためには「PR」も大切で、そのひとつが、SNSを使った集客です。

デザイナーやカメラマンやWEB制作業など、PRが難しいといわれる業種の場合は、WEBサイトで、これまでの実績を書くようにしましょう。

可能な範囲で口コミ(感想)を集めておくと、見る人の参考にもなります。

プログラミングは必要?

セミナーの最後には、2020年度から小学校で必修となったプログラミングについても話をお聞きしました。

中池さんは、システム関連の仕事で幅広く経験を重ねるなかで、2016年に子ども向けのプログラミング教室を起ち上げました。

プログラミングは必要なスキルなのでしょうか。

「必ず必要とは思わないけれど、子どもが好きなこと、興味を持っていることを自己表現するときに、知っておくと非常にいいものだと感じています。

音楽が好き、ゲームが好き、スポーツが好きなど、いろんな場面で応用できるから」

大人でも興味があれば学ぶといいとか。

「知識として持っていることが重要。のちのち何かに繋がることもあります」

WEBサイトを作る前に、まずは無料のサービスを使って自分の手を動かす経験をしていると、WEB制作会社と話がしやくすなる、というお話と共通する視点でした。

WEBのことは苦手という人もいます。すべてができなくても問題はない。ただ、自分の手を動かした経験が、のちのち物事をスムーズに進める助けとなるのかも、と感じたセミナーでした。

中池さん、ありがとうございました。

当日の内容は下記URLもしくはQRコードよりご視聴いただけます。

https://youtu.be/lNZoPAmIgIw